2018/03/16 10:11
あるスギ林で、スギの木達が花粉を噴出させています。
スギの木達はたくさん子孫を残そうと一生懸命です。
でも、花粉が飛び出せば飛び出すほどヒト達に嫌われてしまい、誰も近づいてきません。
スギの木達は悲しくていつもシクシ泣いていました。
「一緒に遊ぼう」
声がする方に、一匹の小さなトラがいました。
スギの木達は嬉しくてニコニコ笑顔になりました。
それからというもの、小さなトラとスギの木達はとっても仲良し。
いつも一緒に遊んでいます。
でも、小さなトラはスギの木達と仲良くなればなるほど、くしゃみと鼻水が止まらなくなりました。
スギの木達は悲しくなり、またシクシク泣いてしまいました。
「ボクのマスクをあげるよ」
声がする方を見ると、ドングリ坊やが立っていました。
ドングリ坊やは小さなトラに、持っていたマスクを付けてあげました。
すると、小さなトラのくしゃみと鼻水が止まったのです。
嬉しくて嬉しくて、小さなトラとスギの木達はニコニコ笑顔になりました。
しかし、小さなトラがお礼を言おうとしたその時には、すでにドングリ坊やはいなくなっていました。
それからというもの、小さなトラはいつもマスクをしています。
いつしかその小さなトラは、「マスクタイガー」と呼ばれるようになりました。
